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2014年11月 記憶の効用
先月に新しいニュースレターが完成しました。いつもニュースレターをお渡しすると、たくさんの反響をいただきます。お電話やメールをいただいたり、店舗や治療院にいらしていただいたりと反響をいただくのは、本当にうれしいことです。
今回は特に懐かしい方々とお会いする機会をいただくことが多く、何年かぶり、何十年かぶりにお目にかかる方もいらっしゃいました。セラ治療院にいらしていただいていた方ばかりですので、父が治療院を始めた幡ヶ谷や西麻布時代のお話をたくさん聞かせていただいております。幡ヶ谷では入ってすぐに院長の雑多なデスクがあったことや、お寺のすぐ隣のマンションにあった西麻布の少し暗い通路まで本当によく覚えていらっしゃって、私のほうが驚いてしまいます。
一般的に記憶と呼ばれているのは、「長期記憶」のことです。記憶は、「短期記憶」と「長期記憶」に分けられますが、「短期記憶」は少しの間数字を頭に思い浮かべているような記憶のことで、「長期記憶」は短くても数分、長くて一生覚えています。なかでも自転車のように、何度も転びながら身体で覚えたことは、「手続き記憶」といって忘れにくい記憶になります。この手続き記憶のように長く記憶に残していただけることは光栄なことです。
かなり昔のことをしっかり覚えていらっしゃることと同じくらい印象的だったのが、懐かしいお話をしているときのみなさんのお顔がキラキラして見えたことです。「こうだったよね」「ああだったよね」と言ってお話する姿が、うれしそうで、昔の話をしているのに新しく何かを発見したときのような楽しさがあふれているご様子だったのです。
「懐かしさ」は、単なる感情ではなく、身体の体験や感覚といったものとむすびついていると言われています。たとえば、学生のときによく歌っていた歌をふと耳にしたとき、自分の奥深くから表現できない感情がこみ上げてきた経験が誰にでもありますよね。意識の奥底から広がってくる温かさやリラックスした感覚が自然とわき上がってくるのです。こうした「懐かしさ」の感情を体験することは、心と身体に安定感を与えてくれます。「病気は気から」といいますが、本当に気持ちが穏やかでいるときは、からだも元気なのだと思います。
実際、気持ちが穏やかでリラックスできているときは、副交感神経が優位になって、免疫をつかさどる白血球を増やしてくれます。私たちの体の中では、毎日たくさんのがん細胞が生まれているように、多くの病気のもとを抱えています。それでも病気にならないのは、体の中に免疫システムがあるから。この免疫システムが正常に活動していれば、大きな病気にはならないように作られています。
まずは気持ちから元気に。また懐かしい方々とお会いできるのを楽しみにして、毎日を元気に過ごしたいと思いました。
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