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2012年9月 井上重治先生を偲ぶ
5月に井上重治先生がお亡くなりになりました。井上先生は帝京大学医真菌センターの安部先生から紹介されました。医真菌センターの講師をしていらっしゃいました。
先生とはいくつもの想い出があります。我が家を新築したのは10数年前ですが、安部先生と一緒に新築のお祝いに自宅に来て頂きました。知り合いのおすし屋さんに握りを届けてもらい、夕食を共にしましたが、胃がんの手術をされた後だった先生が美味しい美味しいとニコニコしながらお寿司を食べていたのが印象的でした。
韓国の大学で、教室を使った講演会にも一緒に参加して頂きました。その講演の中でユズが日本原産と話されたので、講演後“ユズは中国が原産で、韓国、そして日本に入った物ですよ”とお話したら、そうですかとまたニコニコしていらっしゃいました。帰りの韓国の空港内のレストランでは、お一人で参鶏湯(サンゲタン)を食べて来られ、“こんな美味しいものがあるのですね”とおっしゃっていました。
最後にお会いしたのは、2年前10月大阪国際会議場で行われた日本アロマセラピー学会の会場でした。ランチョンセミナーで受け持ち時間が1時間、前半は安部先生がアロマセラピーの理論、後半は私が臨床を講演しました。私はアロマセラピーの基本は手技にあるという話から入り、特に痛みに効果があるという話をしました。そして医療の世界に一番欠けているのがアロマセラピーをはじめとする手技であるという私の講演内容に井上先生は“いいお話でしたよ”と声をかけてくださいました。
講演内容、また活動内容についてこのように声をかけていただけることが、一番の励みになります。井上先生は多くの人に声をかけていらっしゃったのでしょう。
井上先生は多くアロマセラピーの本を出版されています。2年前に出された“抗菌アロマセラピーへの招待”(井上重治、安部茂 著 B5判264頁 定価4,200円)は、1.はじめに、2.精油の抗菌作用の基礎、3.精油の感染症への臨床応用、4.抗菌アロマセラピーにおける免疫と炎症、安全性、5.まとめ 現代医療における抗菌アロマセラピーの位置づけと続くボリュームのある本です。
“少しでも和らげるために、難しい専門用語の解説とひとくち話[コラム]を挿入しました。コラムは興味本位でまとめたので、学問的には少しあやしい点があるかと思いますが、筆者の意図をご理解いただいてお許しをいただければ幸いです。”と言葉を添えているコラムまでもが面白いです。アロマを勉強している人には必読の本の1冊だと思います。
井上先生のご冥福をお祈りいたします。
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