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2008年3月 体に必要な乳製品
2006年度の書籍の発行部数ベスト5に“病気にならない生き方”という本が入っています。
200万部は出版されているでしょうか。この本の中で牛乳、乳製品は飲まないようにと勧めています。かえって骨粗しょう症を招く、貧血を起こすと書いてありました。また小児のアレルギー患者は牛乳に含まれている乳糖の摂取に気を遣わないとアレルギーは治らないと説くドクターも多くいます。牛乳の摂取量が年々落ち込み、平成16年度で1世帯あたり244mlとコップ1杯ちょっとという消費量にみられるような牛乳離れが進む中、気になる情報です。
私は北海道生まれで、バスで雪印の工場まで行ける距離に住んでいましたので、よく子供の頃、休みの日にバター、チーズ、牛乳を工場まで買いに行っていた思い出があります。
高校を出て東京に来て驚いたことの一つはバターの大きさでした。私が子供の頃、工場から買ってきたのは1ポンドで、それが東京では4分1ポンド、8分の1ポンドでした。子供の頃はよく暖かいご飯の上にバターを乗せて溶かして食べていましたし、牛乳も毎朝何本も配達されてきました。ですから乳製品を摂取することには何の抵抗もありませんでしたし、当時牛乳アレルギーもあまり耳にしませんでした。
先日日本酪農科学会が主催する牛乳市民講座に出席してきました。
その会で女子栄養大学学長の香川先生は四群点数法による食事を勧めていらっしゃいました。その第一番目に牛乳、乳製品を挙げています。大学のクリニックにおいて乳製品の摂取量と寿命、病気との関係を十数年に亘ってデータを作っています。四群点数法は第1群:乳・乳製品・卵、第2群:魚介・肉・豆製品、第3群:野菜・芋・果物、第4群:穀類・油脂・砂糖に分け、そこに1点80Kcalとして3、3、3、11、計20点で1600Kcalを摂っていこうとするものです。
私が勧めている毎日摂取する食事も乳製品、卵、肉、魚、大豆、海草、野菜、果物、油脂、繊維ですからほとんどが4群にはいります。卵は1個、牛乳1本、三角チーズ1個、ヨーグルト1個、肉50g、魚50gをタンパク質摂取のために勧めています。これで600から700kcalぐらいでしょう。
また桜美林大学院老年学教授の柴田先生は東京小金井市の70歳以上の高齢者を10年間追ったデータを発表しました。
毎日牛乳を飲む男性は10年間生存率77%に対して、時々飲む、全く飲まない男性は62%と特に男性の場合には大きな差が出てきます。先生は牛乳の飲み方をお酒の飲み方に例えていました。少しずつ人肌に暖めて飲むこと、継続して飲むように勧めています。
昔から“牛乳はかんで飲め”と言われていますが、牛乳を一気に多飲すると血中のカルシウム濃度が急激に上がり、その結果、体から急速にカルシウムを排泄するようになります。また消化機能が未熟な小児はもともと潜在的に鉄欠乏の状態にあり、そこに牛乳のみを多飲すると、牛乳には鉄があまり含まれていないため、鉄欠乏状態で腸の粘膜を傷害して腸管出血を起こし、貧血を引き起こしていきます。
牛乳の飲み方にちょっとした工夫をして、毎日の食生活に取り入れていきましょう。
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