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2008年1月 ビタミンCの効果
最近ビタミンCの話題が多く聞かれます。
私がビタミンCを勉強したのは1977年に講談社から出版された三石巌著“ビタミンC健康法”という本です。三石先生はその数年前から私の治療院に毎週通って来られていましたので、今でも手元に先生のサイン入りの本があります。また同じ年に翻訳されて出版され、ノーベル化学賞、平和賞と二つのノーベル賞を受賞したライナス・ポーリングの“ビタミンCとかぜ、インフルエンザ”も併せて読んでいました。
それ以来私は1日2グラムのビタミンCを飲み続けています。それ以前はよく熱を出して、歩くのもままならず、寝込んでしまったことがありましたが、ビタミンCを飲んでから30数年、風邪を含めて寝込んだことは一度もありません。風邪気のあるときには2グラムを3,4回と入れていきます。
ちなみに食間での吸収を100とすると食後は150と食後の方が吸収はいいです。またビタミンCで下痢をする人もいますが、そのような方は午後腸の動きが安定してきた時に入れるといいでしょう。
ビタミンCがなぜ風邪に有効なのかというメカニズムは二つあります。
一つはインターフェロンによるものです。我々はDNAの設計図を読み取ってリボゾームというところで設計図通りにタンパク質を作っていきますが、風邪のウイルスはそのリボゾームをウイルスの工場にして数万というウイルスを増殖していきます。このリボゾームに持ち込まれた遺伝情報がにせものであることを見破る(干渉する)のがインターフェロンです。インターフェロンを作るためにはビタミンCが補酵素として必要です。
もう一つは過酸化水素という活性酸素によるものです。ビタミンCはウイルスがあると自動酸化し、過酸化水素を作り、その毒性でウイルスを叩いていきます。ただ体内に必要以上に過酸化水素が増えていくと困ります。必要以上の過酸化水素はビタミンB2,セレニウムによって水に除去されていきますから、特にビタミンCを飲むときにはビタミンB群を一緒にとることが大事です。
ガンに対しても1970年代にライナス・ポーリングはキャメロン医師と研究を進め、1日10グラムを点滴と経口で投与し、進行ガン患者の生存期間を4倍ほど延長し、QOL(生活の質)を高めることを「米国科学アカデミー紀要」に発表しています。
しかし当時米国政府医療機関のメイヨー・クリニックではその治療効果を否定しました。それに対してポーリングは免疫系が健全であることが重要であると反論しています。この見解は今の医療においても言えることで、いかに免疫系を高めながら治療していくかが課題になっています。免疫賦活作用のあるサプリメントなどを利用しながらガンの治療をしている医師がアメリカ、日本で増えています。
現在アメリカを中心にビタミンC50~60グラムの点滴療法が行われています。高濃度のビタミンCを静脈に点滴すると、血液中を安全に運ばれて、ガン細胞を選択的に選び、過酸化水素を発生させてガン細胞を攻撃していくやり方です。ビタミンCの可能性に注目が集まっていると言えるでしょう。
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